みどころ

1

世界初の展覧会!
「北斎×ジャポニスム」

北斎を切り口にジャポニスムという現象を読み解く、初めての大規模展覧会!

2

西洋と北斎の名品、
夢の共演!

印象派やアール・ヌーヴォーなどの作品と北斎の作品を比べながら展示します。ここにしかない奇跡の空間!

3

世界10カ国以上から
名作が集結

国内外の美術館、個人コレクターなど10カ国以上から集結。圧倒的スケール!

渓斎英泉《北斎肖像画》

葛飾北斎とは?

宝暦10年~嘉永2年(1760-1849)。江戸時代後期を代表する浮世絵師。狂歌本や読本挿絵、『北斎漫画』に代表される絵手本などの版本、錦絵版画、肉筆画などを手がける。「冨嶽三十六景」は、とりわけ代表傑作で、歌川広重と並び、江戸時代後期に、浮世絵における風景画のジャンルを確立させた。


参考図版:渓斎英泉《北斎肖像画》 提供 すみだ北斎美術館

日本発、世界初。
西洋と北斎の名作、夢の共演。

19世紀後半、日本の美術は西洋の人々を魅了し、"ジャポニスム"という現象が生まれました。なかでも注目された存在が、天才浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)。その影響は、印象派の画家をはじめとして欧米の全域にわたり、また絵画だけでなく彫刻や装飾工芸などあらゆる分野に及びました。北斎は、西洋美術の近代の扉を開ける原動力となったのです。


本展は、西洋近代芸術の展開を"北斎とジャポニスム"という観点から編み直す、世界初の展覧会です。国内外の美術館や個人コレクターが所蔵するモネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガンをはじめ西洋芸術の名作約200点と、北斎の錦絵約30点、版本約60冊の計90点(出品点数は予定、会期中展示替えあり)による"東西・夢の共演"で、北斎が西洋に与えた衝撃をご覧いただきます。


北斎という異文化との出会いによって花ひらいた西洋美術の傑作の数々を堪能いただくとともに、西洋の芸術家の眼を通して北斎の新たな魅力も感じていただけることでしょう。

おもな作品紹介

モネ

木々のテンポに注目!

北斎の作品を所有していたモネ。彼はポプラの木立を繰り返し描きましたが、《陽を浴びるポプラ並木》は構図のリズム感が卓越しています。木々の垂直線がテンポよく並ぶ造形は、北斎の《冨嶽三十六景東海道程ヶ谷》に描かれた松の並木に呼応します。

クロード・モネ《陽を浴びるポプラ並木》

クロード・モネ  《陽を浴びるポプラ並木》 1891年 油彩、カンヴァス 国立西洋美術館(松方コレクション)

葛飾北斎 《冨嶽三十六景 東海道程ヶ谷》

葛飾北斎  《冨嶽三十六景 東海道程ヶ谷》 天保元-4年(1830-33)頃 横大判錦絵 ミネアポリス美術館 Minneapolis Institute of Art, Bequest of Richard P. Gale 74.1.237 Photo: Minneapolis Institute of Art


ドガ

何気ないポーズに注目!

「踊り子の画家」と呼ばれたドガにとって、バレリーナは人体表現の研究のための重要なモティーフでした。『北斎漫画』に登場する人物の、何気ない動きをとらえたようなポーズは、彼の研究心を刺激しました。

エドガー・ドガ 《踊り子たち、ピンクと緑》

エドガー・ドガ 《踊り子たち、ピンクと緑》 1894年 パステル、紙(ボード裏 打) 66 x 47cm 吉野石膏株式会社(山形美術館寄託)

葛飾北斎 『北斎漫画』十一編(部分)

葛飾北斎 『北斎漫画』十一編(部分) 刊年不詳 浦上蒼穹堂


セザンヌ

山の描き方に注目!

“視点”セザンヌは北斎の『冨嶽三十六景』のように、南仏のサント=ヴィクトワール山を異なる視点から捉えた絵画を複数残しています。ここに見る《サント=ヴィクトワール山》は、たとえば《冨嶽三十六景 駿州片倉茶園ノ不二》に見られるとおり、遠景に主題である山を、手前に木々を配して、俯瞰的に中景を眺める構図になっています。

ポール・セザンヌ 《サント=ヴィクトワール山》

ポール・セザンヌ 《サント=ヴィクトワール山》 1886-87年 油彩、カンヴァス フィリップス・コレクション、ワシントンD.C. The Phillips Collection, Washington, D.C.

葛飾北斎 《冨嶽三十六景 駿州片倉茶園ノ不二》

葛飾北斎 《冨嶽三十六景 駿州片倉茶園ノ不二》 天保元-4年(1830-33)頃 横大判錦絵 オーストリア工芸美術館、ウィーン MAK – Austrian Museum of Applied Arts / Contemporary Art, Vienna Photo: ©MAK / Georg Mayer


ゴッホ

野生の植物に注目!

花瓶に活けた花を描くのは、それまでのヨーロッパの静物画の典型でしたが、野生の植物をクローズアップして描く、というのが北斎から学んだ視点です。ゴッホの手により、近景と遠景が見事に組み合わされています。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《ばら》

フィンセント・ファン・ゴッホ 《ばら》 1889年 油彩、カンヴァス 国立西洋美術館(松方コレクション)

葛飾北斎 《牡丹に蝶》

葛飾北斎 《牡丹に蝶》 天保4-5年(1833-34)頃 横大判錦絵 ミネアポリス美術館 Minneapolis Institute of Art, Bequest of Richard P. Gale 74.1.211 Photo: Minneapolis Institute of Art


ゴーガン

ぺたんこな犬に注目!

北斎の『三体画譜』に描かれた3匹の子犬。浮世絵に興味を持っていたゴーガンの油彩画にも、同じく丸みを帯び、平面的に描かれた子犬が3匹登 場します。

ポール・ゴーガン《三匹の子犬のいる静物》

ポール・ゴーガン 《三匹の子犬のいる静物》 1888年 油彩、板 ニューヨーク近代美術館 The Museum of Modern Art, New York. Mrs. Simon Guggenheim Fund. Acc. n. :48.1952. DIGITAL IMAGE ©2017 The Museum of Modern Art / Scala, Florence

葛飾北斎 『三体画譜』(部分)

葛飾北斎 『三体画譜』(部分) 文化13(1816)年 浦上蒼穹堂


カサット

ありのままの姿に注目!

北斎が知られる以前は、幼い女の子は行儀の良いポーズで描かれていましたが、この退屈そうなポーズは、まさに『北斎漫画』の流布した証でしょう。

メアリー・カサット 《青い肘掛け椅子に座る少女》

メアリー・カサット 《青い肘掛け椅子に座る少女》 1878年 油彩、カンヴァス ワシントン・ナショナル・ギャラリー National Gallery of Art, Washington, Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon, 1983.1.18 Courtesy National Gallery of Art, Washington

葛飾北斎 『北斎漫画』初編(部分)

葛飾北斎 『北斎漫画』初編(部分) 文化11(1814)年 浦上蒼穹堂


ピサロ

手前の木に注目!

傾斜したすらりと伸びる樹木を画面中央に配し、その向こう側に後景を眺める構図が北斎に通じています。

カミーユ・ピサロ 《モンフーコーの冬の池、雪の効果》

カミーユ・ピサロ 《モンフーコーの冬の池、雪の効果》 1875年 油彩、カンヴァス 公益財団法人 吉野石膏美術振興財団(山形美術館寄託)

葛飾北斎 《冨嶽三十六景 駿州江尻》

葛飾北斎 《冨嶽三十六景 駿州江尻》 天保元-4年(1830-33)頃 横大判錦絵 オーストリア工芸美術館、ウィーン MAK-Austrian Museum of Applied Arts / Contemporary Art, Vienna Photo: ©MAK / Georg Mayer


スーラ

形に注目!

北斎が描いたのは海の波。スーラは自身の発想力で、同じ構図で岬に置き替えています。

ジョルジュ・スーラ 《とがったオック岬、グランカン》

ジョルジュ・スーラ 《とがったオック岬、グランカン》 1885年 油彩、カンヴァス テート、ロンドン Tate : Purchased 1952 ©Tate,London 2017

葛飾北斎 《おしをくりはとうつうせんのづ》

葛飾北斎 《おしをくりはとうつうせんのづ》 文化初期(1804-07)頃 横中判錦絵 名古屋市博物館 ※展示期間:10月21日(土)~11月19日(日)


ボナール

シンプルなタッチに注目!

日本美術に傾倒し、「ジャポナール」と呼ばれたボナール。立体感がなく、シルエットだけで人物の後ろ姿が描かれています。『一筆画譜』のようなシンプルなタッチで、ユーモラスに人物の動きをとらえる表現に、北斎芸術との共通性が見出せます。

ピエール・ボナール 《洗濯屋の少女》

ピエール・ボナール 《洗濯屋の少女》 1895-96年頃 カラー・リトグラフ フィラデルフィア美術館 Philadelphia Museum of Art, Purchased with the John D. McIlhenny Fund, 1941-8-14

葛飾北斎 『一筆画譜』(部分)

葛飾北斎 『一筆画譜』(部分) 文政6(1823)年 個人蔵